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脈で最適なアロマが出てくるIoTアロマ加湿器を作ったよ!:高町咲衣のカワイイ♡IoT

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みなさん、こんにちは!歌手声優&エンジニアのさきです! 普段は歌手や声優、IoT女子としても活動しています!以前、IoT女子会に参加してレポートもしました。カワイイ、女性が使いたいIoTをコンセプトにいろいろ発信していきます!

さて、寒くなってお部屋の乾燥も気になってきました。今回はお部屋に飾っただけでインテリアとしてもかわいらしく、そしてなにより女性の「カワイイ」や美しさを支える、IoTアロマ加湿器を作りました! その日の心の状態に合わせ、自動でアロマが出てくるようにしています。

カワイイ♡IoTアロマ加湿器ってどんなものなの?

今回製作したカワイイ♡IoTアロマ加湿器。「センサーつきのシュシュ」を手首に装着することで、脈拍を検知しネット経由で最適なアロマを自動で選択して出してくれます。

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どんなふうに動くの?

カワイイ♡シュシュに、脈波センサーを取り付けて、脈拍数を検知します。

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そしてセンサーから受けとったデータをWi-Fi経由でサーバーに送って、そこからアロマ加湿器をコントロールして自分の脈拍に対応したアロマを出します。

もう少し具体的に仕組みを見てみると(下図のとおり)、

  • Wi-Fiモジュールである「ESP WROOM 02」を使って、MQTTプロトコル経由で脈拍数を送る
  • Node-REDで脈拍数を受け取り、処理を振り分けてMQTTで指示を出す
  • 支持を受け取った「アロマの電源部」が、自動で脈拍に応じたアロマを選択し、アロマ加湿器をオンにする

となります。

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セキュリティは大丈夫?

今回、Node-REDは自宅のラズパイ(Raspberry Pi 3)に設置し、ラズパイはNode-REDサーバーとして24時間起動させます。

「自宅サーバー」というと、IPを固定したりポートを開いたりと、セキュリティー的な不安もありますよね。でも大丈夫! 外部との通信はすべてMQTTプロトコル*1を使っているので、サーバーとは言っても、インターネット上に公開状態する必要がありません。その代わり、MQTTブローカーの「MQTT Cloud」というサービスを利用しています。個人利用なので、無料プランで問題なく使えました。セキュリティー上の危険も「MQTT Cloud」に任せてしまっているので安心です!


システムの要になる部品はこれ!

IoTアロマ加湿器を作るうえで、とても重要な部品を紹介します。

脈波センサー「M9008-3P」

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光学式の脈波センサーです。穴場な電子部品屋さん「aitendo」で見つけました。脈波はその名の通り、脈拍を波形で捉えたものです。脈波を検知するために、必要な電子部品が既に基板に取り付けられている状態なので、波形を見るだけならばArduinoに接続してすぐに使えます。

原理を簡単に説明すると、血液中の酸素や二酸化炭素を運んでくれる「ヘモグロビン」という成分は、特定波長の光を吸収する性質があります。また、脈波に合わせて血管内の血の量が増えたり減ったりするので、ヘモグロビンの量も同様に増減します。

光学式の脈波センサーは、ヘモグロビンが吸収する波長の光をLEDで照射し、それに反射して戻ってきた光の量を測定します。そうしてヘモグロビン=(イコール)血の量を測定しているわけです。血の量は脈波と連動して増減するため、ここから脈波を検知できます。すごい仕組みですよね!


www.aitendo.com

Wi-Fiモジュール「ESP WROOM 02」

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とても小さなWi-Fiモジュールです。電子パーツ販売と言えば有名な秋葉原の秋月電子にありました。「ESP8266」というモジュールと同じもので、使い方などの情報がほしいときは「ESP8266」と調べるとたくさん情報が出てきます。数少ない「個人レベルで購入でき、安価で小型、そして技適を通った」Wi-Fiモジュールのうちのひとつだと思います。ESP8266を国内向けに生産し、技適の認証が通ったものが「ESP WROOM 02」のよう。

このモジュールのおもしろいところは、なんとこれ単体で「Arduinoとしても動作する」ということです。Arduinoに接続して使うのではなく、これそのものがArduino互換機として使えるのです! ただしピンがArduinoよりも自由に使えないため、自由度という意味では通常のArduinoを使ったほうがよさそうです。

元となったESP8266は海外でもメジャーなモジュールで、ESP8266のコミュニティがあったりします。そこから提供されているライブラリーやボード情報を利用することで、特殊な知識はとくに必要なく、簡単に利用できます。Arduinoが使える方なら、こちらもすぐ使えると思います。

今回は、1つをシュシュに設置し、もう1つをアロマの電源部に使いました。シュシュのほうは省スペースにする必要があったので、基板実装タイプのものを使っていますが、電源接続やシリアル通信接続などが少し大変でした。小型化する必要はなく、試作したい場合であれば、同じく秋月電商で販売されている「評価用ボード」がオススメです。USBでPCと接続できるので買ったらすぐ利用できるようです。


akizukidenshi.com

脈波数でその日の気分を判定

今回はリラクゼーションを目的とし、ストレスと脈拍の関係性の基礎情報をもとに、気分を分析してみることにしました。一般的に、安静時の脈拍数の正常値は60~85回(/分)と言われています。これよりも高すぎたり低すぎたりすると、「正常ではない状態」ということになります。

では、どういうときに「正常ではない状態」になるのでしょうか。その原因のひとつに「ストレス」があります。ストレス過多になると、体が緊張状態になることがあるようです。またその他にも、心臓病などの病気が原因で「正常ではない状態」になる場合もありますが、精密な原因特定はお医者さんにしかできないので、今回は医療目的ではなく「ストレス」の部分に焦点を絞り、病気ではないことを前提としてつくりました。

アロマの出し分け基準

アロマの出し分けの基準ですが、まず正常値に収まっているとき、「余裕をもって正常値」なのかあるいは「ギリギリ正常値」なのかで処理を分けます。具体的には「65~80回」を「余裕をもって正常値」としました。正常値外のときは、処理は一種類。合計で3つの処理になりました。

まとめると、次のようになります。

  • リラックス状態(65~80回)
  • 普通の状態(60~64回、81~85回)
  • ストレス状態(46~59回、86~130回)

作成した脈拍検知プログラムの関係で、45回以下、131回以上は計測不可になります。

選んだアロマ

今回使用、状態別に合わせた3種類のアロマを紹介します。今回アロマは「なりたいキブンにいつでもアロマ」(カリス成城)という製品を使って、効果を参考に各カテゴリの中でも自分が好きな香りを選んでみました!

リラックスの状態→しあわせキブンのアロマ

リラックス状態のときはもっとHappyになる香りを。今回は「イランイラン」を選んでみました!

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普通の状態→キブンがおちつくアロマ

普通の状態のときは、もっと気分がおちつくといいな♪ということで「ラベンダー」の香りを。

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ストレス状態→キブンをかえたいときのアロマ

ストレス状態のときはキブンを変えたい!そこで「グレープフルーツ」の香りを!

使ってみました

ソファに座って、シュシュのボタンを押します。脈波の計測がスタートし、計測が終わるとNode-RED→アロマ電源部という順でデータが送信されていきます。

あっ!グレープフルーツのアロマが出てきてしまいました! 最近疲れていたのかなぁ…?

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しばらくしてから、もう一度ボタンを押して再計測しました。おっ!こんどはラベンダーです。グレープフルーツの香りでリラックスできたみたいですね。ラベンダーの香りは眠くなってしまいますね~…(__)Zzz

さいごに

かわいい♡IoTのアロマ、大成功! 腕につける、ウェアラブル部分もフリルのシュシュにしたのが今回のこだわりポイント。アロマの材料もほとんど100円ショップで買いました。

これで今年の冬は、いい香りと加湿、そしてカワイイ♡で、心も身体もHappyに過ごせそうです。これからもカワイイ♡IoTを極めていきたいと思います!

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文・写真:高町咲衣(Twitter:@takamachi1saki

福岡県出身の、歌手・声優、兼エンジニア。IoTの開発が好きで、よく電子工作したりArduinoスケッチを書いたりしています。 「IoT女子」としても活動中。趣味はアニメ鑑賞、美味しい物めぐり。紅茶の美味しいお店が大好きです。 最近の悩みは、冬場ならではの静電気。うっかりArduinoに触ると……。

高町咲衣さんによる「IoT女子会」のレポートはこちら

*1:MQTTは、Message Queuing Telemetry Transportの略で、軽量で短いメッセージを高い頻度で送受信するのに適したTCP/IPで利用可能なプロトコル。IoTのように常にデータを送るような場合によく使われる。

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