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IoTの全技術を学ぶのは無駄、自分の軸で学べーーtsumug Tech Lead部谷修平:MANABIYA セッションレポート

ITエンジニア特化型Q&Aフォーラム「teratail」が主催するカンファレンス「MANABIYA」に、株式会社tsumug(ツムグ)のTech Leadを務める部谷修平(ひや・しゅうへい)さんが登壇した。

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tsumugのTech Leadを務める部谷修平さん

リモートワークだからこそパラレルワーク

セッションは「スタートアップとIoT」と題して、自身でのスタートアップの立ち上げなどこれまでのキャリアを振り返りつつ、IoT関連の開発に関わって得た学びや、そして現在取り組んでいる「TiNK(ティンク)」について話した。

部谷さんは九州大学出身で、大学院在学中に妻と結婚し、子供を授かった。大学4年時には未踏ユース(独立行政法人情報処理推進機構による未踏事業)に採用されたり、在学中にスタートアップを立ち上げたりといったキャリアを経て、tsumugにジョインした。tsumugでは主にコネクティッド・ロック「TiNK」のサーバーサイドを担当している。

そのキャリアで一貫しているのは、常にリモートワークをしてきたことだ。tsumugも業務委託という形のため、常に自宅で仕事をしており、必然的に複数の仕事や会社にコミットしているという。

「段々パラレルにいろんなことをやるようになっている」(部谷さん)

常に「ツール」にフォーカスしたわけ

同時に、これまでのキャリアのなかで、部谷さんはtsumugに限らず、意図せずにIoTに関わり続けて来ている。

まずは学生時代は工学部で、組み込みとユビキタスの研究室に所属していた。最初にキャリアについて考えたのは4年の時。「遊んでいたため、成績が下から3番目。就職できなさそう」だったという。

勉強家でもないしめんどうくさがりだという自身の要望を実現すべく、クラウド上でコーディングなしにプログラムを作成できる開発環境「CloudMDD」を考案し未踏ユースに応募。見事採用された。

CloudMDDに限らず、初めてプログラミングで作ったのがゲームエンジンであるなど、部谷さんの取り組みは、常に「ツール」にフォーカスしてきた。なぜなら、物事をもっと簡単にしたい、複雑なことを簡単に見せたいという欲求があったからだ。

その後はデータフローを可視化できるビジュアルプログラミング言語「Flower」を開発したり、IoTデバイスやスマートフォン間でリアルタイムにデータのやりとりができるプラットフォーム「Milkcocoa」を開発した。

すべてを学ぼうとせず、自分の軸を持つことが大切

そして話はtumugとTiNKへと及んだ。TiNKはコネクティッド・ロック、すなわちIoTデバイスであり、LTEやBluetoothなどの通信機能を内蔵しているだけでなく、鍵と錠前という機器の性質上、さまざまな安全性も考慮している。

「僕はIoTとあまり言わなくなった。それはIoTという言葉に意味がなくなってきたから。でも、IoTという言葉は伝わりやすい。バズワードだけど便利で重要」(部谷さん)

一方で、エンジニア視点でIoTを見たとき、さまざまな技術要素を含んでいる。ひとつには電子機器であり、また事業である以上はハードウェアの量産という大きなハードルがある。ソフトウェアの面からも、制御は通信、エッジでの機械学習など多様なアーキテクチャの階層がある。

「いろんな知識が必要、すべてを本気でやるなら小学生からプログラミングしないといけない。でも、そんなことはできないし、時間の無駄」

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IoTの技術レイヤーは多岐にわたっており、ひとりのエンジニアではカバー仕切れないという(部谷さん)

そこで部谷さんがどうしているかというと、「自分の軸を持つことが大事」だという。

「例えば、『すべてのものごとがつながる時代に人々はどんな生活をしているか?』という、IoT時代の人々の変化について、自分なりに答えを持つこと」

正しい問いを立てて、自分の中で答えを持つ。片っ端から技術を勉強するのは無駄で、自分なりの軸を立て、その未来を作ることに時間を使うべきだという。そして、それこそエンジニア総スタートアップの時代だという。

メルカリのレンタルサイクル事業も採用した「TiNK DVK」

最後には、TiNKのハードウェア開発キット「TiNK DVK」についても触れた。メルカリが運営するレンタルサイクル「メルチャリ」の開発にも採用されているもので、TiNK DVKを利用することでさまざまなサービスを開発できるはずだという。

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TiNK DVKを利用して開発されたメルチャリのロック機構

そして、「こうした仕事は、未来をまさに作っている。100年後に残るものを作ることができる環境であるtsumugに感謝している」としてセッションを締めた。

文・写真:青山祐輔

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