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多くのIoT作品が北陸・金沢に集結!:NT金沢2018レポート

株式会社tsumug(ツムグ)が提供するTiNK(ティンク)のように、IoT製品を作っているものづくりの人はたくさんいます。 そんなものづくりの人たちが一堂に会するイベントとしては、世界的にはMaker Faireが有名ですが、日本でも独自に発展していったイベントがありました。それが金沢で毎年開催されている「NT金沢」です。

NT金沢2018は、石川県金沢市で開催される、ものづくりのための交流会で、2018/7/7(土)と7/8(日)の2日間、会場は金沢駅地下のもてなしドームという広場で行われました。出展ブース数は100を超えており、二日間に渡って、多数の来場者がありました。
この交流会がどういったものなのか、ここで紹介します。 

プロアマ問わず自分の作品を展示できる「NT金沢」

NTは、ニコニコ技術部(Nico-TECH:)という意味で、電子工作好きな人たちが集まって、自分たちが作ったものを展示することで体験を共有する交流会のことです。

NTは全国各地で開催されていますが、特に石川県金沢市で開催されるものは「NT金沢」と呼ばれています。NTシリーズの中でも最大規模の出展者数で、注目が集まっています。

出展者が多い理由は、熱心な運営の思いに共感した人たちが多数存在すること、誰でも出展ができること、NT金沢がNTシリーズの中では歴史のある交流会であることが、理由として挙げられます。

展示品はかならずしも「電子工作」に限定する必要はなく、プロアマ問わず、自分で作った作品を展示できます。
物販もできるので、自分の作品をその場で売ることも可能です。  

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「作ってみた」は正義。NT金沢2018

NT金沢は非営利で、金沢大学の秋田純一教授(@akita11)が中心となって運営しています。秋田先生は集積回路とその応用システムを研究しています。
NT金沢は年に1回開催で2011年から始まり、今年で8回目になります。

このイベントは、100人以上の人たちが集まるような大交流会なのですが、これが何年にも渡って継続できているのは、参加者全員が当事者意識をもって、主体的に動けているからでしょう。

NTシリーズは金沢の他に、加賀(2017年から開始)、名古屋、京都、東京でも開催されており、海外では台湾、中国、シンガポールも開催地域となっています。

 

NT金沢は毎年七夕前後に開催

NT金沢は、年に1回の開催頻度で、7月上旬に行なわれます。

今回会場となっている金沢駅地下のもてなしドームは、イベントスペースとなっており、日々さまざまなイベントが開催されています。
駅構内で開催すると、構内を行き来する一般の方にもイベントに興味をもってもらい、気軽に立ち寄ってもらえるという利点があります。

ただし、駅地下なので風通しが悪く、夏場は非常に暑くなるため、熱中症対策をしながらイベントを楽しむほうがよいでしょう。

NT金沢は個人による出展が主ですが、ステージも用意されており、金沢を代表する研究者らによる研究を100連発で紹介するなどとといったトークセッションや、北陸中心に活動しているユニットによる殺陣パフォーマンスなども行なわれるので、ステージを鑑賞するだけでも面白いです。  

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NT金沢は金沢駅地下のもてなしドームで行なわれた

     

100以上のブースが出展

今年は100ブース以上が出展しましたので、以降では気になったブースをいくつかピックアップして紹介していきます。  

ヒゲキタドーム

まずNT金沢の名物出展と言えば、ヒゲキタドームと呼ばれているヒゲキタさん(@higekita1)のプラネタリウムです。NT金沢では毎回出展されています。
ヒゲキタさんは金沢市在住で工房ヒゲキタを運営しており、「手作りプラネタリウム・手作り3D映像の全国出張投映」と「工作教室の出張指導」という活動もしています。

外はタダでさえ暑いのに、プラネタリウム内部はもっと暑くなるわけですが、エアコンが設置されているため、中は涼しく、快適に鑑賞できます。  

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ヒゲキタさんのプラネタリウム

パチパチクラッピー

百均で手に入る拍手するオモチャ、パチパチクラッピーを素材としてIoTデバイスを制作し、スマホから遠隔操作で、パチパチクラッピーの載った戦車が縦横無尽に動かせるようにしてある作品がありました。
市販のラジコンよりも完成度が高く、制作者のこだわりを感じました。

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パチパチクラッピーの改造展示
 

HDDのステッピングモーターで音楽演奏

ハードディスクのステッピングモーター音を利用して音楽を作るという珍しい作品が展示されていました。特殊なドライバーを使って、ハードディスクを分解し、制御ボードと結線してステッピングモーターを制御することで、音を奏でいています。

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HDDで音楽演奏

サイコロの目の画像認識

サイコロを自動で振って、サイコロの目を画像認識で判別するという作業を、延々と繰り返す装置が出展されていました。
出た目の統計も自動で取っており、サイコロの質によって出やすい目と出にくい目があるそうです。

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サイコロの目自動認識

黒ひげIoT

下の写真は昔なつかしい「黒ひげ危機一発」というオモチャですが、ただのオモチャではありません。

オモチャの筐体内にチップが埋め込んであり、すべてのナイフが刺さっているかどうかを判別できるようになっています。
刺さっている箇所をIPv6通信でRaspberry Piに飛ばして、スマホから状態を確認できるようになっています。
制作者の常田裕士さん(@crs)は、トランジスタ技術(CQ出版)でも記事を書いている方で、東京から来たとのことです。

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スマホからナイフの位置制御が可能な黒ひげIoT

NT金沢、2019年は6月末開催決定。その前にNT加賀も

北陸新幹線ができてから、金沢の知名度が上がっていることもあり、金沢のIT市場も盛り上がってきていることが感じられるイベントでした。

展示品のアイディアも面白いですし、技術レベルもアマチュアとは思えないほどのレベルです。ITエンジニアの方々は大いに刺激を受けたのではないでしょうか。

NT金沢は2019年は6/29(土), 6/30(日)の開催が決定しているので、来年も楽しみですね。

同じ北陸地方の石川県加賀市で、NT加賀2018が12/15(土), 12/16(日)に開催される(加賀温泉駅から徒歩1分)ので、温泉旅行を満喫しつつ、NT加賀も楽しんでみてはいかがでしょうか。

文:平田豊

@ITエンジニアライフコラムニスト。インフラ勉強会発起人メンバー。2004年にTera TermをOSS化。著書はLinuxカーネル「ソースコード」を読み解く、Linuxカーネル解析入門、Linuxデバイスドライバプログラミング他計13冊。

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