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「フルカラーLED FAN」「OPPO旗艦店」「ロリータファッションショップ」「子ども向けVR ボックス」……半年で変わりゆく街深センで見つけた気になるモノ

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普段は電気メーカーにて設計の仕事をしつつ、電子工作向けの開発ボードの設計・販売をしている「ThoudanDIY」のMasawo Yamazakiさんが、最近成長著しい深センに半年ぶりに行ってみると、半年とは思えない変化に驚いた様子。今回のそんな深センで見つけたいろいろなものを紹介してもらいます。

深センの変化を目の当たりに

2018年10月21日~24日に自作基板の受け取りも兼ねて深センに行ってきました。本記事では、半年ぶりの深センで見つけたいろいろなものや場所を前回の訪問(2018年3月)からの変化点も交えてレポートしていきます。

読者の皆様にはすでにおなじみだと思いますが、中国の深セン市は香港に隣接した「経済特区」に指定されている人口約1400万人の大都市。近年は「中国のシリコンバレー」と呼ばれることもあり、数々の新しい技術が猛スピードで社会実装されては淘汰され、変化し続けている場所です。

中国の秋葉原「華強北電気街」

では、まずは中国の秋葉原とも称される華強北(ファーチャンペイ)電気街で見つけたモノです。

回るファンに動画も表示「フルカラーLED FAN」

今回の華強北電気街でいちばん目についたのが、”Hologram LED FAN"という名前で売っていたフルカラーのPOV(Point of View)ファン。華強電子世界ビルの一階の店では、壁に大量にファンがつけてあり(下の写真で十字に光っているもの)、周りに人だかりができてました。フルカラーの写真だけではなく動画表示もできます。

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Hologram LED FANが売られていた店

POVなので写真では伝わりにくいのですが、YouTubeに紹介動画があったのでリンクを貼っておきます。


本体は剥きだしで高速に回転しているので触ると危険だと思うのですが、普通に店頭に展示していました。

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むき出しだが危なくないのだろうか

ちなみに、同じものはいろいろな店で販売されています。上の写真に写っている店のように、観光客が多数通るビルの一階にある路面店では1350元(約22,000円)ですが、ビルのフロアを上がるにつれて徐々に安くなり、4階では800元(約13,000円)で販売されていました。

中国のスマホメーカー「OPPO」の旗艦店が

華強北電気街のほぼ中央、華強広場酒店(Huaqiang Plaza Hotel)の斜め向かいに中国のスマホメーカー「OPPO」の旗艦店ができていました。

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中国のスマホメーカー「OPPO」の旗艦店

店内にはOPPOの最新スマホのと並んで、なぜかソニーのディスクマンやプレイステーションが展示されています。

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OPPOの店なのになぜかソニーの製品が

華強北路に面したショーウインドウにはLEDのオブジェが展示してありました。フルカラーLEDで覆われた球体の表面がさまざな模様に変化します。解像度がかなり高く、非常にインパクトがありました。

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ショーウインドウにあったLEDのオブジェ

動画でみるとその様子がよくわかります。


夜になると街はきれいにライトアップ

華強北の南側の入り口である賽格広場(SEG PLAZA)では、夜になると立方体のオブジェと高層ビル(SEG PLAZA Building)がフルカラーLEDで派手にライトアップされていました。

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華強北の賽格広場にある立方体のオブジェ


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SEG PLAZA Building


4階建ての電子部品ビル「徳普沙井電子城」

今回の深セン訪問では、華強北から1時間ほどの地下鉄11号線「馬安山」駅からタクシーで10分ほどの距離にある「徳普沙井電子城」にも行ってきました。華強北よりは小さいものの、秋葉原のヨドバシカメラより広いと思われる敷地に建つ4階建てのビルに、電子部品や機構部品、メカトロ系の機械、PC周辺機器などを扱う小さい店がぎっしりつまっています。

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徳普沙井電子城の入り口

1階の半分がメカトロ系の機械、残りの半分と2階が電子部品、3階がPCと周辺機器、4階がプリンターというフロア構成です。

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徳普沙井電子城のフロアマップ

プロ向けの実装機・自動梱包機がそろう「メカトロエリア」

まずはメカトロエリアからみていきます。エリアに入った途端、機械油の匂いが漂ってきます。そしてそこには華強北の電気街ではほとんど見かけたことがない電動工具を扱う店や、プロ向けの実装機・自動梱包機などを販売する店が数多く並んでいました。

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ホームセンターの電動工具売り場を高密度で圧縮したような電動工具の専門店

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電子機器の配線用コネクタ端子の自動実装機

こちらは自動梱包機。このような工場向けの機械が至るところにあります。

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自動梱包機

モーターやリレーなどが並ぶ「電子部品エリア」

次は電子部品エリアです。このエリアではチップ部品のリールが大量に並んでいます。モーターやリレーなどの駆動部のある電子部品や、ギア・ネジ・放熱器などの機構部品が多いのも特徴的です。

チップ部品のリールがショーケース内にぎっしり並んでいます。店舗の後方のリールでのバラ売りも可能なようです。

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大量のチップ部品

モーターの専門店。大小さまざまなサイズのモーターが所狭しと並んでいます。

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大小さまざまなモーター

ショーケースにぎっしり入っている各種ギアのサンプル。

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ギアのサンプル

棚に並んだ大量のボールねじ。

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ボールねじ

こちらは放熱器の専門店。ショーケースの中は電子部品の放熱用のフィンです。

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放熱器

パソコンの周辺機器が集う「PCと周辺機器エリア」

写真はスピーカーの専門店。こちらは他のエリアから一転してかなりスッキリしていました。

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スピーカーの専門店

オシャレな地下街「華強北地鉄商業街_時尚」

前回(2018年3月)の訪問時は工事中だった、地下鉄の華強路駅~華強北駅をつなぐ地鉄商業街が開業していました。電気街のイメージが強い華強北ですが、新しくできた地下街はオシャレなショップが並んでおり、地上とはまた別の姿を見せています。

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地鉄商業街の入り口。しゃれたロゴがついている

女性向けのブティック。他にもこのような店が何軒もありました。

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立ち並ぶ情勢向けブティック

こちらはロリータファッションの店。ちょうどハロウインの直前だったこともあり、ゴスロリっぽい雰囲気が漂っていました。

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ロリータファッションショップ

最近話題になっている雑貨店の「NOME」も出店していました。「Flying Tiger + 無印良品 + 3COINS」という感じの、雑貨としてはちょっと値段高めだけど、北欧風デザインの洒落た雑貨や日用品が揃っているオシャレな店です。

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最近中国で話題の雑貨店「NOME」

ボックスに入ってVRコンテンツを楽しむ「子ども向けVR ボックス」

地鉄商業街の真ん中付近には、いかにも深センらしい「子ども向けVR ボックス」がありました。小型のカラオケボックスのような部屋に入り、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をかけてVR体験ができます。

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子ども向けVRボックス

コンテンツは3種類。時間単位での利用となっていて、時間内であれば複数のコンテンツを切り替えて自由にプレイできます。

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時間内であれば複数のコンテンツで遊べる

変わった自動販売機

深センでは、日本では見たことのないような自動販売機があります。中でもとくに気になった2種類の自販機を紹介。

ヤシの実ジュースの自販機(九方購物中心)

華強北の電気街に隣接するショッピングモール「九方購物中心」の3階、シャオミのショップへ行く途中にありました。

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ヤシの実ジュースの自販機

中にドリルがあって、購入すると椰子の実に穴が開いた状態で出てきます。出てきた椰子の実の穴に直接ストローを挿して飲みます。きちんと冷えていて美味しかった。

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ヤシの実ジュース

スマホ買取見積り機能付き自販機(思微_SimplyWorks)

深センにいくつかあるコワーキングスペース「思微_SimplyWorks」にあったドリンクの自動販売機です。

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一見普通の自販機に見えるが……

自販機正面にある液晶画面の横をよく見るとスマホ用のケーブルが出ています。

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自販機にスマホ用のケーブルが。充電できるのか!?

このケーブルに手持ちのスマホを接続すると、自販機が情報を読み取り、買取見積もり金額を表示してくれます。今回は残念ながらネットワークエラーで見積もりはできませんでしたが、スマホの機種情報はバッチリ抜かれていました。

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スマホ買取見積もりができるらしい

シェア自転車の現状

最後に少しだけシェア自転車の状況です。以前このメディアでも取り上げられていましたが、そのときは街中のいたるところにシェア自転車があふれていました。しかし最近は「利益が上げられず中国のシェア自転車は終わり」というようなネガティブなニュースが多いのですが、まだしっかりと残っていました。

街中の至るところに放置されている状態はほぼなくなり、その代わり大きな施設や駅の周りに白線で囲まれた「駐輪エリア」があって、そこに係員の人が並べていました。整然と並んでいると一般の利用者も自然に「駐輪エリア」に置くようです。

自転車の台数自体はかなり減った印象ですが、街中に半分故障されていて使えないようなものはほとんどなくなっており、ある程度きちんと整備された自転車だけが残っているようです。今回の訪問でもmobikeを数回利用したのですが、台数は減っても解錠してみて故障しているということはなく、以前よりも使いやすい気がしました。街中でも普通にシェア自転車が走っており、生活に浸透してきたという印象です。

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「駐輪エリア」にきちんと並べられたシェア自転車

この半年での深センの変化

巨大な電気街である華強北も、新しく開業した「華強北地鉄商業街」にはオシャレな店がいくつも入り、電気街に隣接した場所には大きなショッピングモール(九方購物中心)もあり、一般の人が普通に生活できる場所になりつつある印象を受けました。

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九方購物中心

かつて新宿や池袋、秋葉原が時代にあわせて変化してきたように、その何倍もの速度で大きく変化しつつあるのが深センという都市だと感じました。その変化のいいところ・悪いところの両方をぜひ現地で体験してみてください。

文・写真:Masawo Yamazaki

電子回路設計エンジニア兼クラッピーチャレンジャー。単身赴任で時間が余って始めたはずの電子工作なのに、気が付いたらイベント参加や電子工作で忙しく寝不足に悩んでいる。毎月のように中国へプリント基板を発注し実装しきれない積基板が増えているのが最近の悩み。趣味は100均巡りとAliexpressでのガジェットあさり。好きな基板色は黒、最近はM5Stackにはまっている。

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