“コロナ禍は大変だったけど社会がいいほうに変わるきっかけになった”と思えるように 「Ruby biz Grand prix 2020」で「TiNK Desk」が大賞を受賞

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「Ruby biz Grand prix 2020」が開催され、そこでtsumug「TiNK Desk」が大賞を受賞しました。ここではその様子と、Rubyと「TiNK Desk」の関係について紹介します。

Ruby biz Grand prix2020とは

Ruby biz Grand prixとは、プログラミング言語「Ruby」を活用して、ビジネス領域で新たな価値を想像し、今後の発展が期待できるサービスや商品を表彰するグランプリです。

2015年から開催されており、今回で第6回目の開催となります。主催はRuby biz グランプリ実行委員会。事務局は島根県 商工労働部 産業振興課が行っています。

Rubyとは島根県出身のまつもとゆきひろさんが1993年に生み出したオブジェクト指向のプログラミング言語で、多くのWebサービスやアプリケーションの開発に使われています。Ruby biz Grand prix 2020では生みの親であるまつもとゆきひろ氏自らが審査員をつとめています。

表彰式では、国内からエントリーされた24事例の中から選ばれた、大賞2点と特別賞3点に加え、Vertical Solution賞4点がノミネートされました。

コロナ禍の状況がRuby biz Grand prixにも大きく反映

コロナ禍の状況がRuby biz Grand prixにも大きく反映していました。授賞式のスピーチでまつもとゆきひろさんは「受賞したどのサービスも素晴らしくて、社会に大きなインパクトを与えうるものではないかと感じました。今年はコロナの影響で日常生活に大きな変化があった年でした。

もちろん、病気になられた方や亡くなられた方も出るなど、大変悲しいこと、痛ましいこともありました。しかしながら、このような変化を強要されることによって、ITを活用して社会がよくなるほうに圧力がかかったという面があり、少なからずプラスの側面もあったのではないか」と語りました。

そんな変化を求められる時代にITを活用して社会をよくしようとするサービス2つが大賞を受賞しました。大賞を受賞したサービスを中心に紹介します。

株式会社tsumug「TiNK Desk」ビルの空室を利用してリモートワークに使えるワークスペースを提供

まず、大賞1点目は株式会社tsumugの「TiNK Desk」です。TiNK Deskは誰でもドロップインで使えるワークスペース。LINEでTiNK Deskのアカウントと友達になることより、トーク画面から会員登録、利用手続き、利用の際の鍵の解錠を行うことができます。また、IoTを駆使することにより、拠点の無人管理も実現しています。


大賞を受賞したことを受けて、プレゼンテーションを行ったエンジニアの池澤あやかさんは「(コロナの感染が拡大する中で)会社からリモートワークを命じられたけど、リモートワークをするスペースがないという悩みを解決できないかと考えたことがサービスを作ったきっかけだった」と語りました。

そんな悩みに対して、活用できるスペースはないかと考えていたところ、日本中でビルの空室が広がっていることに目を付けました。まさに社会の課題をIT活用してよりよくしていこうと考えたサービスだと言えます。

TiNK Deskの開発するにあたって、Rubyの力が大いに発揮されました。Rubyで開発しているのはLINE BotとTiNK Desk APIの部分となっていたそうです。池澤さんは「元々、別の言語で開発していましたが開発言語を切り替えたことで、生産性の高い開発環境とコードの簡潔化が実現でき、実装のスピードが向上しました」と言います。

池澤さんは今後は展望として、「働くエンジニアにとっても居心地のいい環境を目指しており、スクラムマスターを目指すメンバーに資格取得費用の全額サポートを行い、スクラムフレームワークを用いた効率的な開発に力を入れていきたい」と意気込みを語りました。

株式会社メディカルノート「Medical Note」医師と患者をつなぎ信頼できる医療情報を伝える

同じく大賞を受賞した株式会社メディカルノートの「Medical Note」はデジタルヘルスケアプラットフォームです。創業以来、「医師と患者をつなぐ」というビジョンを掲げています。特徴としては、まずYahoo検索に信頼できる健康情報提供するなど、医療情報として日本最大級のトラフィックがあります。医療界との強いリレーションがあり、すべてのコンテンツの監修をしています。


メディカルノートのWebページにはコロナウィルスの医師監修の信頼のおけるコロナウィルスの情報が掲載されています。まさに今、必要とされている情報を提供するサービスとなっていると感じました。そのバックエンドをRubyで支えているということで、今年の大賞に相応しいサービスだと感じました。

「コロナの状況下において、患者だけでなく、医療機関も課題を感じている。適切の情報を提供できるようにしていきたいと思います」と今後の決意を語りました。

「RubyがWebで使われるようになったのはインターネットバブルの崩壊によって、社会が強く圧力を受けたことがきっかけだった」

最後に授賞式の中でまつもとゆきひろさんから、コロナ禍を生きるエンジニアにヒントとなるものがあったので、紹介します。まつもとさんは「1993年にRubyを作り始めたのもバブル崩壊のあおりで、私の仕事が暇になったというのがきっかけでした。RubyがWebで使われるようになったのも、2000年代はじめのインターネットバブルの崩壊によって、社会が強く圧力を受けたことがきっかけです。

コロナの社会に対する変容の圧力というのもこれから先、数年後あるいは10年後の未来に、あのときは大変だったけど社会がいいほうに変わるきっかけになったと思い返されるのではと思います」と語りました。Rubyという言語が「生まれ」「育つ」きっかけが逆境だったということはおもしろい事実だと感じました。

そして、今回受賞した方々に向けて、まつもとさんは「今回、受賞したサービスが日本、大きく言えば世界のサービスを変革させるためのきっかけになるのではないか」というエールを送っていました。ひょっとすると、10年後から今を振り返ったときに社会のブレークスールのきっかけがこのRuby biz Grand prix2020にあったと振り返ることになるかもしれません。

■受賞一覧
  会社名/サービス名
 ●Vertical Solution賞表彰
  株式会社ジョリーグッド/emou
  株式会社ビビッドガーデン/食べチョク
  freee株式会社/プロジェクト管理freee
  株式会社ブリッジ・シー・キャピタル/CREAL

 ●特別賞表彰
  株式会社オープンエイト/Video BRAIN
  株式会社すむたす/すむたす買取
  株式会社ONE COMPATH/aruku&(あるくと)

 ●大賞
  株式会社tsumug/TiNK Desk
  株式会社メディカルノート/Medical Note


文:藤井 武

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