フルリモート開発は「リモート前より効率化」“スクラム”で手戻り激減 tsumugの取り組み

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tsumugの牧田恵里社長が、5月28日開催のイベント「福岡発:フレキシブルワークを実現するには?~私たちがはなれていてもサービス開発できる理由~ BRIDGE Tokyo Meetup vol.1」での「ざつだん企画」に登場。当日の内容を再構成しました。

コロナ禍でフルリモート体制に

コロナ禍でリモートワークが一気に普及した2020年。tsumugも、フルリモート体制にチェンジしました。

tsumugのメンバーは全員フリーランスで、稼働場所も時間も休みもまちまち。コロナ前は、東京・福岡の拠点でミーティングする機会もありましたが、コロナ禍でフルリモートになり、リアルで顔を合わせることもなくなりました。

同時期に事業をピボットし、複数のプロダクトを並行させて開発することになったため、フルリモートのメンバー同士で効率的に開発を進める方法が課題になりました。

そこで思い切って取り入れたのが、アジャイル開発手法の1つ、「スクラム開発」です。tsumugでは2020年6月から試験的に実施し、9月から全面的に採り入れました。

慣れるまで苦労はありましたが、うまく回ってくると、無駄な作業やコミュニケーションロスが激減。「リモートとスクラム開発の相性はとても良い」と確信しており、コロナ禍が明けても、フルリモート体制を維持したいと思っています。

スクラム開発で「手戻り」激減 リモートとの相性抜群

スクラム開発は、最初から完成品を作るのではなく、ミニマムでリリースし、細かくアップデートを続けていく、アジャイル開発の手法の1つです。

開発の目的やユーザーストーリーをきっちり詰め、小さなタスクに分けてから、時間を区切って開発に取り組みます。また、ユーザーストーリーを一覧にした「バックログ」でタスクの優先順位をつけていくのも特徴です。


以前は、サービス側が提示したあいまいな要件を、開発側が想像で補ったところ、サービス側が意図しない“無駄な機能”ができてしまい、手戻りが発生したり、詳細をサービス側に問い返して返事待ちをしたりする……といった無駄な時間がありましたが、スクラム開発で無駄を一掃できました。

スクラム前は、サービス開発側が「管理画面で、LINEアカウント連携が済んだIDを表示する」とタスクを決め、その目的を説明しないまま開発に依頼するといったこともありました。スクラム開発なら「管理者画面を見る→管理者がTiNKアカウント作成者のうちLINEアカウント連携済みのユーザーを知ることができる」といったユーザーストーリーでタスクを提示するため、開発側も、ストーリーに最適な実装方法を議論できるようになったのです。

スクラム開発では毎回「チェックイン」と呼ばれる雑談の時間をもうけます。ここで雑談しながらその日のタスクを確認していきます。

チェックインでは「今日は、今やっていることについて話す」「今日は振り返りの時間」とテーマをある程度固めていため話しやすく、またリモートでありがちな「雑談がなくて孤独を感じる」といった問題にも対処できます。ただ雑談が苦手な人もいるので、チェックインを強制しない雰囲気作りに気を配ることもしています。

tsumugには「認定スクラムマスター」の資格を取得しているメンバーが、私(牧田社長)を含んで6人います。資格を取るための研修に1人20万円ほどかかり、当時のtsumugにとって決して小さくない出費でしたが、良いお金の使い方でしたね。

フルリモートはコスパよく快適

tsumugのメンバーはもともと全員がフリーランス。勤務もリモート中心でした。ただ、「顔を合わせた方が良い」と感じることもあり、多くが、東京・福岡の拠点周辺に住み、時々オフィスに集まっていました。

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メンバーが集まる様子

ところが、コロナ禍により“強制フルリモート”になったため、オフィスから遠くに住み替えたスタッフも多数。家賃や生活費が下がり、生活に余裕ができたようです。感想を聞くと「移動時間がないため、プライベートな時間も確保しつつ、開発のボリュームも下げずに作業できる」「生活リズムや体調に合わせて仕事ができるようになった」と好評でした。

次のオフィスは「未定?」 コロナ収まってもフルリモートで

今年の5月に、tsumugは福岡のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」から卒業しました。次のオフィスはまだ探していません。スクラム開発が効率よく回っており、人が集まる拠点としてのオフィスの必要性が薄れたためです。

もし「顔を合わせたい」というメンバーがいるなら、例えば「来たい人だけが自発的に集まれる場所」という意味での拠点を当社のサービスである「TiNK Desk」で新たに作ったり、スタッフ自身で場所を借りて「TiNK Desk」のオーナーになり、余った席を貸し出したりする――といったこともできそうです。

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