「どこでも仕事ができる」時代だからこそ、真剣に“移住”を考える 東京→那須に引っ越したエンジニアが考える移住リモートワークのメリットデメリット

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新型コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言が発令され、リモートワークが余儀なくされた人も多いことでしょう。もちろんtsumugもいち早くリモートワークに対応しました。しかも、単なるリモートワークではありません。多くのメンバーが外部からジョインする形態を活かし、“どこでもリモートワーク”ということで、いろいろな場所で暮らしながら仕事をし始めました。

tsumugエンジニアのkeyさんもその1人。ここでは東京から那須へ移住したKeyさんに、なぜ移住したのか、そして現在の状況について寄稿してもらいました。

長かった東京生活

tsumugエンジニアのkeyこと佐藤です。普段は主にハードウェア向けバックエンドの設計、実装を担当しています。2021年の春、住み慣れた東京から那須へ移住しました。ちょうど半年ほど経ち、いい機会なのでtsumug edgeに寄稿という形で記録を残そうと思います。

tsumugは創業当初から数年、秋葉原にオフィスがありました。当時はかなり忙しく、時間も不規則だったため、歩いていける範囲ということで御徒町に居を構えていました。上野と浅草のちょうど中間地点くらい、東京でも都会と言って差し支えのない場所でしょう。

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TiNK発表会前の追い込み作業中
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自宅はスカイツリーが近くに見える、いいところ

お腹が空いたらご飯を食べに行く、ビールが飲みたくなったら上野でお店が閉まるまで飲んで帰る、翌朝起きて支度をしたら秋葉原のオフィスに歩いて向かうという生活でした。

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2019年元旦の上野

転機:tsumugの渋谷移転とクローズ

2019年の11月、tsumugオフィスは秋葉原から渋谷へと移転します。自宅からは秋葉原も渋谷も電車一本なので、さほど面倒というわけではありませんでした。以前仕事をしていたことがある街ですし、懐かしい気分で過ごすことになります。

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在りし日のtsumug渋谷オフィス

しかし、それも長くは続きません。

年が明けた2020年、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい、オフィスに通っていたメンバーは少しずつリモートワークに切り替え、1人、また1人と席が空いていきました。東京都で最初の緊急事態宣言が出た後、tsumugはオフィスのデスクやチェアを片付け、リモートワークに完全切替の方針を固めました。

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什器を運び出すtsumug渋谷オフィス

しばらくは自宅で仕事をしていたものの、ワンルームの狭い部屋にこもりきりになり、運動不足が祟って体重が激増したり腰を痛めるなど、健康にも悪影響が出始めます。

どこに住もうか?移住計画

感染症の影響も、年内には収まるのではないかと楽観的に考えていましたが、残念ながらそのようなことはありませんでした。

家の近くで食事のできるレストランは時短営業、行きつけのビアパブは長期休業、スポーツジムも休業、モーニングを食べに行っていたファミリーレストランは閉業となり、状況は悪化の一途をたどります。先に書いたとおり体調も芳しくありません。

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休業中のビアパブ

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正月にもかかわらず人のいない神社

少し前から引っ越しを考えていたこともあり、2020年の秋ごろから本格的に移住の検討を始めます。
条件としては、乗り物が置ける、家賃が安い、そこそこ広い、東京へのアクセスがいい、といったあたり。

熱海・軽井沢・那須の中から選択

仕事で東京に出ることもあるだろう、それであれば新幹線一本で行ける場所が楽なのではないか、と考えていました。具体的な候補としては熱海、軽井沢、那須あたり。

熱海は東京からのアクセスが便利なのですが、間取りや広さに比べて家賃が高めでした。軽井沢は探してみたものの、ピンと来る物件がなくてスルー。友人に紹介された那須の物件は良さそうに見えます。

5DK100平米、駐車場5〜6台分、裏山付き。家賃は東京で借りていた30平米のマンションの半分くらいです。正直なところ1人で暮らすには少々広すぎますが、空き部屋を物置にしたり、襖を取って部屋を広く使ったりして活用しています。
那須から東京は新幹線を使うと1時間少々。駅までの移動時間を含めても1.5時間あれば都内に入ることができます。

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庭からの眺め
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近所の林道

実際今も、何かしらの用事で月に1〜2回は東京に行っていますし、負担と感じたことはありません。

しかし、家を選ぶ上でもっとも大きかったのは、那須に住む友人に誘われたことでしょう。現在住んでいる家はもともと友人が借りていた家で勝手がわかりますし、集落の人々の様子、近くのスーパーやホームセンターなどの周辺の住環境についてもいろいろと訊くことができました。

友人はいまでも近くに住んでいて、珈琲焙煎所と喫茶店を営んでいます。

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友人の営む喫茶店。土間打ちをお手伝いしました

地方リモートワークのメリットとデメリット

私の仕事環境としてとても重要な要素であるネットワークは、光ファイバーが引けることがあらかじめわかっていました。周囲に使っている人がいないためか、ネットワーク速度は700Mbpsほど出るのでとても快適です。

住宅は広々した部屋やお風呂があり快適です。大好きな乗り物を置くスペースがあり、大きな音を出したりペットを飼っても問題なく、素晴らしい自然に囲まれています。

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引っ越し当初に開催した車好きの会。オープンな空の下、広々とした乗り物を置くスペースがあるからこそ実現した
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引っ越したばかりの頃の庭からの眺め
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焚き火の会
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同居猫
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バイク(自動二輪)とバイク(自転車)たち。このころはまだ自動車がありませんでした


築40年を超える古い家で、リフォームしてあるとはいえ寒暖の差が激しく、空調をたくさん使うので光熱費は高めです。

都会から引っ越して困ったことは周囲に食事するお店が無いことです。徐々に自炊をするようになりましたが、忙しい時に時短する選択肢が選べないという点は今でも少し困りますね。

今後、どのくらい続けるのか?

この先ここに定住するのか、それとも他の場所に移るのか、まだ答えは出ていません。

新型コロナウイルス感染症の影響により仕事環境は大きく変わってしまいました。リモートワークが推奨されるようになり、ZoomやSlackなどさまざまなツールやサービスが大きく発達するとともに、これまでデジタル化されていなかった層まで仕事の変化がなされたように思います。

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仕事部屋


働く人のマインドも大きく変わり、半数以上に人がリモートワークを継続したいと考えているようです。雇用側も人材獲得・維持の観点からリモートワーク継続の方針が多そうです。

一方で私は、オフィスで仕事ができるのであれば、そのほうが好きです。同僚との他愛もない会話をしたり、一緒にランチに出かけるのが楽しみです。でも、そうした環境が戻ってくるのはまだしばらく先になりそうです。

今後は、オフィスワークとリモートワークを並行して実施するハイブリッド型の企業が増えていくのではないかと考えています。たとえば、TiNK Deskがさらにたくさんの場所にあって、オフィスとコワーキングスペースのどちらを利用してもいいような運営スタイルは魅力的に見えますし、現実的ではないでしょうか?

deskservice.tinklock.com

仕事の面で困ることが今のところ少なく、都会で暮らすよりも生活コストが安いので2〜3年ほど継続するつもりです。新型コロナウイルス感染症の状況が変わらなければより地方に残る可能性がありますし、状況が改善していれば都会的な場所に移る可能性もあります。拠点を増やして行ったり来たりするような生活も楽しそうですね。

地方移住のオススメポイントと、探し方

都会的な暮らしに飽き飽きしている、ちょっと田舎暮らしをしたいという方は、前向きに検討する価値があります。庭の手入れや週末のドライブを楽しんだり、広々した家で過ごすには、田舎暮らしはもってこいです。

大変なこともありますが、それも都会では得られない経験と割り切って考える必要があります。私の経験では、裏山に生えたタケノコを掘りまくって消費するのがハードでした。放っておくと大きな竹になってしまうので早めに掘っておく必要があるんですよ!

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裏山で採れた筍。山が荒れてしまうので採集は義務です(笑)

移住先探しはとてもむずかしいと思います。私はたまたま友人が住んでいたところへ移り住みましたが、このような一戸建て物件はあまり賃貸サイトに掲載されないので見つけることが困難です(よく友人たちに「どうやって探したの?」と訊かれます)。自分がしたい生活をイメージし、候補の街をいくつかピックアップし、情報を細かく調べて当たりをつけ、地元の不動産屋さんに問い合わせるのが良さそうです。空き家バンクにもすぐ住める賃貸別荘が掲載されています。

リノベーション物件を販売・賃貸する不動産業者もあるので、そうしたところを探してみるとおもしろいかもしれません。

文/写真:Key

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