IoTはもう古い? モノがつながるのは当たり前の世の中に。CESから見えてきた「コネクティッドな世界」

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毎年1月に米ラスベガスで開催される、世界最大級の電子機器の見本市CES。2019年も1月8日から11日に開催されました。CESについては他メディアでもいろいろと取り上げているので、ここではtsumug(ツムグ)らしい視点でCESについてレポート。

IoTをうたう製品が顕著に少なく

tsumug edgeと言えば、やはりIoT系の製品を取り上げているので、まずは会場でIoTと名のつくものを探してみました。すると意外にもIoTと表だって名乗っている企業やメーカーは少なく、代わりに「SmartHome」や「Connected」をうたう製品を多く見掛けました。

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IoTというセクションはなく、代わりにSmart Homeが大きなセクションとなっていた

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もちろん、IoTプラットフォームをうたっている製品もあったが、それほど多くは見掛けなかった。

これは、逆に言えば、モノがインターネットにつながるのは当たり前で、あえてそれを言う必要がなくなった、ということでもあります。

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ネットワークにつながる万能調理器も

通信は5Gが実践フェーズに

高速ネットワークである5Gは、前回のCESでも登場していましたが、今年はよりリアルに、実用的なものが登場していました。派手さはないものの、ルータや対応スマホなど、明日からでもすぐに使えそうな商品も登場しており、よりつながることが当たり前の世の中に進んでいくことが予想されます。

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実際、今回の展示で登場していた自動車の多くはネットワークに接続しており、それらが街中を走ることを考えれば、太いネットワークの需要はますます増えるでしょう。

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NVIDIAの自動運転用ユニット。車がパソコン化すればするほど、ネットワークは重要になってくる。

グーグルとアマゾンの存在感

年々CESで存在感を増すのが、音声アシスタントの「Google Home」と「Amazon Alexa」。両者とも直接的な展示はないものの、たとえば多くの自動車はすでに音声アシスタントを搭載しており、またスマートホームに代表される家電などの操作も、そのほとんどが音声対応をアピールしていました。

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Amazonの音声アシスタントに対応した家

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特設会場を用意したGoogleも音声アシスタント製品が並ぶ

かつては音声認識分野にも日本企業が存在していましたが、オープンプラットフォーム化したグーグルとアマゾンがこの市場をほぼ独占しており、もはや一般企業が入り込む余地はありません。車にしろ家電にしろ、このどちらかを選ぶ道しか残っていないとも言えるでしょう。

スマートロックとシェアキーがあふれるSmartHome

今回、SmartHomeのエリアで一番多かったのは、やはりシェアキーでした。実際、Amazonも「Key」という専用のエリアを作り、数多くのシェアキーを設置していました。

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Amazonの名前はないものの、その存在感は顕在。

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配達の車が通ったときだけ開くシステムなど、なんとなくtsumugのコネクティッド・ロック「TiNK」と共通しそうな概念も。

しかし一方で、この「Key」にあったシェアキーが「声で開ける」ことに特化していたように、「いかに鍵のセキュリティを強化するか」よりも、逆に「いかに簡単に鍵を開けるか」に重きを置いていたように思えます。

そういった意味で、今回これだけシェアキーが登場すると、今度はどのように差別化を図るのかが大切になってくるでしょう。

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とりあえず会場のアチラコチラにスマートロックが

どこよりも盛り上がっていた、スタートアップ1200社が集う「エウレカパーク」

インテルや大手のメーカーが並ぶ「LVCC」、さまざまな家電メーカーが並ぶ「Sands」、しかし、それよりもなにより盛り上がっていたのは、世界中のスタートアップ企業が集まる「エウレカパーク」でしょう。

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Sands会場に下にあるエウレカパークエリア

世界中のスタートアップ1200社以上が集ったエウレカパークには、フランスが国として行うスタートアップの支援政策「フレンチテック」が一大勢力に。昨年は270社程度だったのが、今年は350社以上にもなっています。

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一大勢力となっているフレンチテック

同様のエリアには、クリエイティヴ・ヴィジョン、大広、フィラメントの3社が主催する「JAPAN TECH」や、フレンチテックを参考に日本が推進する「J-Startup」も出展していました。とくに今回初出展となるJ-Starupは、フレンチテックの導線にブースを構えたため、フレンチテックを訪れた多くの来場者がJ-Startupにも流れ込んできたようです。tsumugもこのJ-Startupのエリアにブースを構えました。

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大盛況のJ-Startupブース

そもそも「今回はCESそのものが、このエウレカパークに多くの人が流れるように人を促した」(J-Startup出展者)という話もあります。世界的にスタートアップへの注目が高まっていることがうかがえます。

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我らがtsumugのTiNKももちろん展示

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Shiftall(シフトール)社のビール自動補充サービス「DrinkShift」

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LOVOTを開発するGROOVE X社も

CESで見えてきた「すべてがつながるミライ」

CESではさまざまなデバイスや家電を見ることができますが、そのほとんどが何かしらにつながっている、いわゆる「コネクティッド」な製品ばかりでした。それは単純に、モノとモノがつながる、あるいはモノとコンピュータがつながるなどといったものだけではなく、どこに行っても自分が同じ環境で存在できる、自分と世界がつながるような壮大な未来を感じます。tsumugのTiNKも、どうしてもスマートロックとして注目が集まりますが、実はその先にあるコネクティッドの世界を見据えている製品です。この思想が製品とともに世界を席巻する日が、今からとても楽しみです。

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余談だがエウレカパークの大学生ブースもおもしろかった。これはオーストラリアの学生が考えたオリジナルのSNS。

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イギリスのサウサンプトン大学の学生が作った近くの人とすぐにつながるIntroというアプリ

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IoTとは関係ないが、自動で洗濯物を畳む家電にも注目が集まっていた。洗濯物を畳むのが面倒というのは世界共通の悩みのようだ。


文・写真:藤倉涼

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