おうちキャンプでIoT! 温度に応じて「寝袋自動開閉」に挑戦──チャック開閉システムを自作:IoTおうちハック

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楽しみながら、たまに失敗しながら、IoTハウスを作る「IoTおうちハック!」。築10年の一戸建てを、最先端のIoTハウスにできるのか? おうちハックで生活は便利になるのか? 筆者ななみんが2匹のねこと一緒に実証していく物語、第9話。

最近、友達や同僚がキャンプに行った話をよく耳にします。私は成人してからというもの、アウトドアにめっきり縁がなく、わざわざ自然の中でBBQをするのも面倒くさいとしか思えないタイプ。そもそも人が「キャンプに行きたい理由」とは何だろう…...と考えた結果、“寝袋で寝る非日常体験”こそがキャンプの醍醐味なのではないか、との結論に至りました。

寝袋で寝ると、暑い......

寝袋で寝てみると、意外に楽しいかもしれないぞ......ということで、まずは練習として、我が家の中庭に寝袋を敷いて寝てみることにしました。屋根がない場所なので、いつ鳥や虫にやられるか分かりません。少し緊張しながら眠りました。

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初めて寝袋を買ってみた! 中庭に寝床をセッティングして、腰痛防止に寝袋内にクッションを入れる

晴れた日に寝袋で一晩過ごしてみて気づいたのですが、寝袋の防寒性能が優れているおかげで、寝ている途中、暑くて何度か寝袋を開けたり閉めたりしないといけないのが面倒でした。

もし、寝袋内の温度に応じて自動でチャックを開けたり閉めたりできれば、快適な環境になりそうです。

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こんな感じで寝ました。早朝から日差しが差し込み早起きできるという、思いもよらぬ効果も!

寝袋を自動で開け閉めしたい!

寝袋の中の温度変化に合わせて、自動で寝袋が開閉して温度調節する…...という夢を実現するため、解決すべき課題が2つあります。

1.寝袋のチャックを自動で開閉する仕組みを作る

2.温度の閾値を決め、寝袋内の温度が閾値より高くなれば開ける、低くなければ閉じる、という制御を作る

1ができれば、2は、第2話でも紹介した「IFTTT」(イフト・アプリやネット上のサービス同士を連携させ、一連の作業を自動化するサービス)を利用することで実現できそうです。今回は、最初の難関である、自動チャック開閉システムに挑戦しようと思います。

自動チャック開閉システムを作ってみる

私が調べたところ、自動でチャックを開閉する製品は存在しなかったため(そりゃそうだ)、第8話でも紹介したIoT開発キット「obniz(オブナイズ)」とDCモーター、タイヤを使って、寝袋のチャックを引っ張る仕組みを作ることにしました。DCモーターをクルクル回してタイヤを回すのですが、タイヤとDCモーターがセットになった商品があったためそちらを採用しました。

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DCモーターとタイヤのセット

obnizで2つのDCモーターで2つのタイヤを回す

まず、2つのDCモーターにタイヤを付け、モーター同士を厚紙でつないで下の写真のような二輪車を作り、obnizとつなぎます。

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本当はスケルトンの板でモーターをつなぎたかったけど、なかったため、厚紙で代用

obnizは厚紙の上に置いて固定します。二輪車なので、obnizを乗せたときの重心の位置を考慮してバランスを取れるよう調整し、最終形は下の写真のようになりました。

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最終形、厚紙の上に乗っているのが「obniz」

2つのDCモーターを動かすプログラム

次に、プログラムをご紹介します。obnizのサイト内に、DCモーターのサンプルがあります。

obniz.io

このサンプルコードだけでDCモーターを動せます。通常のハードウェアプログラミングだと、「モータードライバ」が必要で、ある程度の知識が必要になってきますが、obnizはモータードライバが内蔵されており、つないでプログラムを走らせるだけでモーターが動くのです。

今回は2つのモーターを動かすため、このサンプルコードを少し改良し、2つのモーターを制御できるようにします。また、チャックを開けるために前へ進む力を大きくしたいため、モーターのpowerの指定は「100」にします。

うまくチャックを開けられるか!?

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寝袋にスタンバイ


先ほど作ったDCモーターの二輪車と、寝袋のチャックを結束バンドで固定し、DCモーターの引く力で寝袋のチャックを引っ張れるようにしました。電源のない中庭で利用するため、モバイルバッテリーを使います。



な、なんと…...。1ミリくらいはチャックを引けたように見えましたが(笑)、引く力が足りなさそうに見えます。寝袋が思った以上にツルツル生地で、滑ってしまっているようなのが想定外でした。モーター音がうるさくて、力は出てそうな気がしていたのですが……。

チャックを開けるために必要な力は? 測ってみた

チャックを引っ張るには、意外と力がいることが分かりました。では具体的に何N(ニュートン)の力で引けば開くのでしょうか。引く力や押す力を計測するための器具「テンションゲージ」を使って計測してみました。

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注射器のようなこちらが「テンションゲージ」です

テンションゲージで計測してみると、チャックを引っ張るためには、平均して約0.1〜0.2Nの力が必要なようです。

一方、先ほど組み立てた二輪車で「引く力」を計測してみると、0.05Nほどしか出ていないようでした。これは意外です。うるさい割にはそんなに力が出ていなかったようです。



引く力を計測中

今回は、obnizを使った自動寝袋チャック開閉システムに挑戦しましたが、引く力が不十分なのと、ツルツル生地で滑ってしまうため、思うように引っ張ることが出来ませんでした。

しかし、約0.2Nの力が出せれば良いと分かったので、何らかの方法でもっと大きい力で引けるよう工夫したいと思います。

文:ななみん

通信会社に勤務し、自転車シェアサービスの立ち上げ、スマートフォンの開発、Fintechサービスの立ち上げなどを経験。好きなものは、新しいガジェット、ネコ。好きな人は、アインシュタイン、ショパン。引っ越しをきっかけに自宅のIoT化に挑戦中。

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